2010年6月13日日曜日

EPA講演会

JELISという日本発の臨床スタディがある。高脂血症薬であるスタチンにEPA(エパデール)を上乗せした際の、心血管イベントの発症抑制効果をみた研究である。特に二次予防において著明な効果が得られた。そこで注目されたのがEPA/AA比である。不飽和脂肪酸のなかには、動脈硬化の進展抑制に働くn-3系のEPA、DHAと一方動脈硬化進展に働くアラキドン酸(AA:n-6系)があるが、以前より日本人は欧米より心筋梗塞が少ないが、その根拠にこの比が欧米人より有意に高いことが指摘されている。魚の摂取がEPAの増加につながり、脂質の構成比を改善しているということである。今研究においてEPA投与でこの比が0.6から1.2に上昇していた。ちなみに欧米人の値は0.1である。最近の調査では日本人の若者のEPA/AA比は年々低下して、欧米人と変わらないレベルになっているというから大変である。先祖から受け継いだ魚の食文化をもう一度見直し、動脈硬化予防の健康戦略として大いに発展させたいものである。

0 件のコメント:

コメントを投稿